はじめに

「口臭がなかなか改善しない…もしかして歯周病?」
口臭が気になるけれど、歯磨きをしっかりしてもなかなか改善しない…。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか? 口臭の原因はさまざまですが、実は歯周病が原因のことも少なくありません。
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こす病気で、進行すると膿(うみ)がたまったり、細菌が増殖したりして独特の強い口臭を発生させます。「最近、口臭が気になる」「朝起きたときに口の中がネバつく」と感じる場合は、歯周病のサインかもしれません。
本記事では、歯周病による口臭のメカニズムと効果的な対策について詳しく解説します。口臭の原因が歯周病かどうかを見極め、適切なケアで改善していきましょう。
関連リンク: 歯周病の初期症状とは?早期発見のためのチェックポイント
歯周病による口臭のメカニズム

口臭にはさまざまな原因がありますが、歯周病が進行すると特有の強い口臭を引き起こすことが知られています。ここでは、歯周病がなぜ口臭を発生させるのか、そして病気の進行に伴う口臭の変化について解説します。
歯周病による口臭の原因は細菌由来のガス
◆ 歯周病とは?
歯周病とは、歯ぐき(歯肉)や歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起こる病気です。進行すると、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりするだけでなく、歯を支える骨が溶け、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまいます。
◆ 口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」
歯周病が進行すると、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)に「歯周病菌」と呼ばれる細菌が増殖します。これらの細菌は、タンパク質を分解する際に「揮発性硫黄化合物(VSC)」という強い悪臭を放つガスを発生させます。
化合物 | 臭いの種類 |
---|---|
メチルメルカプタン | 腐った玉ねぎのような臭い |
硫化水素 | 腐った卵のような臭い |
ジメチルサルファイド | 生ゴミのような臭い |
これらの成分が混ざり合い、歯周病特有の強い口臭を引き起こします。特にメチルメルカプタンは、歯周病が進行するほど濃度が高まり、悪臭が悪化するとされています。
参考リンク: 口臭 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
関連リンク(仮): 揮発性硫黄化合物(VSC)とは?口臭のメカニズムを徹底解説
歯周病の進行と口臭の変化
歯周病の進行に伴い、口臭の強さや特徴も変化します。

歯周病の進行度 | 口臭の特徴 |
---|---|
軽度(歯肉炎) | 軽い口臭、歯ぐきの赤みや腫れ |
中度(歯周炎) | 口臭が強くなり、歯ぐきから出血することがある |
重度(進行した歯周病) | 強い悪臭、膿が出る、歯がぐらつく |
特に中期~末期の歯周病では、口臭が顕著になり、周囲の人にも気づかれやすくなります。 さらに、歯周病が悪化すると、口の中がネバついたり、不快な味が残るといった症状も出ることがあります。
このように、口臭の悪化は歯周病の進行を示す重要なサインの一つです。早めの対策を講じることで、口臭の改善と歯周病の進行予防につながります。
関連リンク: 歯周病の進行を防ぐためのセルフケアガイド
歯周病による口臭のセルフチェック

まずは、以下の症状に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
- 朝起きたときに強い口臭を感じる
- 歯を磨いても口臭が気になる
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯ぐきから血が出ることがある
- 硬いものを噛むと違和感がある
- 家族や友人に口臭を指摘された
1つでも当てはまるなら、歯周病による口臭の可能性あり!
早めの対策が大切です。詳しい原因や改善方法をチェックしましょう!
歯周病による口臭の予防・改善策

歯周病による口臭を防ぐためには、日々のオーラルケアと生活習慣の見直しが重要です。セルフケアだけでなく、定期的な歯科検診を受けることで、より効果的に歯周病を予防・改善できます。ここでは、具体的な対策を詳しく解説します。
正しい歯磨きとデンタルケア
歯周病対策には、通常の歯磨きだけでは不十分です。歯磨きに加えて、デンタルフロスやマウスウォッシュを取り入れることで、歯周ポケットや歯間の細菌をしっかり除去することが大切です。
- 歯ぐきをマッサージするように優しく磨く(強い力で磨くと歯ぐきを傷つけるため、ソフトなタッチで行う)
- 電動歯ブラシを活用する(振動や回転機能によってプラーク除去効果が向上)
- 殺菌剤や抗炎症成分入りの歯磨き粉を使用する(細菌の繁殖を抑え、炎症を防ぐ)
特に、歯周病が進行している場合は、歯ブラシによる歯磨きに加えて、デンタルフロスやマウスウォッシュを活用して歯周ポケットの奥に入り込んだプラークや細菌を除去することが重要です。
関連リンク(仮): 歯周病ケアの歯磨き粉の選び方|おすすめ成分とランキング
歯周病予防のオーラルケア製品を活用
市販のオーラルケア製品の中には、歯周病対策に特化したものがあり、これらを活用することで予防効果を高めることができます。
✅ 歯周病対策におすすめの成分
成分カテゴリ | 主な成分 | 期待できる効果 |
---|---|---|
殺菌成分 | CPC(塩化セチルピリジニウム)、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、BKC(塩化ベンザルコニウム) | 細菌の繁殖を抑え、歯周ポケット内の菌を減少させる |
抗炎症成分 | グリチルリチン酸、トラネキサム酸 | 歯ぐきの炎症を抑え、腫れや出血を防ぐ |
血流促進成分 | ビタミンE、ビタミンB6 | 歯ぐきの血行を改善し、歯周組織の回復を助ける |
歯ぐき組織分解抑制成分 | β-グリチルレチン酸 | ハグキ分解物質を不活化し、歯周病の進行を抑制 |
歯磨き粉やマウスウォッシュを選ぶ際は、上記の成分が配合されたものを選ぶと、より効果的に歯周病対策ができます。
関連リンク(仮): 歯医者に行くべきタイミングは?歯周病チェックリスト
生活習慣の見直し
日々の生活習慣が歯周病の進行に影響を与えることが分かっています。特に、口の乾燥や栄養バランスの偏り、喫煙・飲酒は歯周病を悪化させる要因となるため、次のポイントを意識しましょう。
- 口の中の乾燥を防ぐ(口呼吸を改善し、水分補給を意識する)
- バランスの良い食生活を心がける(特にビタミンCやカルシウムが豊富な食品を摂取する)
- タバコやアルコールを控える(喫煙は歯周病のリスクを高め、アルコールは口腔内の乾燥を招く)
特に、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、歯ぐきの健康を維持するために重要な栄養素です。また、カルシウムは歯を支える骨を強くするため、意識的に摂取しましょう。
関連リンク(仮): 歯周病予防のための食生活とは?栄養素と食べ物ガイド
定期的な歯科検診
セルフケアだけでは、完全に歯周病を防ぐことはできません。歯周病の進行を防ぎ、口臭を抑えるためには、定期的に歯科検診を受け、歯石を除去することが重要です。
- 3~6ヶ月に1回のペースで受診する
- プロのクリーニング(スケーリング・ルートプレーニング)を受ける
- 歯周ポケットの深さを測定し、進行度をチェックする
歯石は歯磨きでは除去できず、放置すると歯周病を悪化させる原因となります。歯科での専門的なクリーニングを受けることで、歯周病による口臭を根本から防ぐことができます。
歯周病による口臭におすすめのオーラルケア製品
歯周病による口臭を予防・改善するためには、適切なオーラルケア製品の選択が重要です。以下に、歯周病予防に特化した歯磨き粉、口臭予防効果の高いマウスウォッシュ、そして歯間の汚れをしっかり除去するデンタルフロスをご紹介します。
歯周病予防に特化した歯磨き粉
アセスE

- 特長:200種類の植物性生薬から選んだ天然由来の3種のハーブ(カミツレ、ラタニア、ミルラ)を配合し、歯周病による出血に対しても効果を有する数少ない歯磨きとなっています。また、研磨剤を含まないため、歯周病で弱った歯ぐきを優しくケアします。
- 主な成分:カミツレ、ラタニア、ミルラ、ビタミンE
- 参考価格:1,306円(税込)
- 詳細情報:https://www.acess.jp/products/acess-e/
クリーンデンタルL トータルケア

- 特長:10種類の薬用成分を配合し、歯周病予防、虫歯予防、歯石沈着防止、着色除去など多角的なオーラルケアが可能です。3種類の殺菌剤(IPMP、CPC、LSS)と2種類の抗炎症成分(β-グリチルレチン酸、ε-アミノキアプロン酸)の他にも塩化ナトリウム、ビタミンEと歯周病予防の有効成分が7種類も配合されています。また、口臭の原因成分を吸着するゼオライトも配合されており、口臭対策もできます。
- 主な成分:IPMP、CPC、LSS、β-グリチルレチン酸、ε-アミノカプロン酸、フッ素、ゼオライト、ビタミンE、ポリエチレングリコール400
- 参考価格:1,323円(税込)
- 詳細情報:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_cleandental/product/cleandental-l/
デントヘルス 薬用ハミガキ 口臭ブロック

- 特長:歯周病による口臭予防に特化した数少ない歯磨きです。口臭発生の原因となる歯周病菌を殺菌する殺菌成分「IPMP」とニオイの元に吸着して落としやすくする吸着剤「グルコン酸銅」を配合し、菌とニオイの両方にアプローチしています。その他、トラネキサム酸やビタミンEも配合しており、歯周病をトータルケアします。
- 主な成分:IPMP、トラネキサム酸、ビタミンE、オウバクエキス
- 参考価格:1,200円前後(税込)
- 詳細情報:https://denthealth.lion.co.jp/products/hamigaki-breath/
口臭予防効果の高いマウスウォッシュ
ブレスラボ マウスウォッシュ マルチケア

- 特長:口臭を元から除去するリレーション処方として、歯周病予防の薬用成分のCPC(塩化セチルピリジニウム)とグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、口臭の原因となる細菌の増殖を防ぎます。また、吸着剤としてグルコン酸銅を配合し、口臭のニオイの元にも直接作用します。
- 主な成分:CPC、グリチルリチン酸ジカリウム、グルコン酸銅
- 参考価格:968円(税込)
- 詳細情報:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/breathlabo_mw_mdm/
ガム・ナイトケアリンス

- 特長:翌朝の口臭・ネバツキが気になる方に向けたマウスウォッシュです。殺菌剤「CPC」が原因菌の繁殖を効果的に抑制し、止血剤「トラネキサム酸」がハグキからの出血を防いで、口臭、歯肉炎及び歯垢の付着を防ぎます。
- 主な成分:CPC、トラネキサム酸
- 参考価格:980円(税込)
- 詳細情報:https://jp.sunstargum.com/lineup/rinseeconde/nightcare/
歯間の汚れをしっかり除去するデンタルフロス
G.U.M デンタルフロス&ピック Y字タイプ

- 特長:180本のマイクロ繊維束が歯間の歯周プラーク(歯垢)を効果的にからめとり、歯周病の原因となる菌を除去します。Y字型ホルダーで奥歯の歯間も簡単に清掃でき、フロス部分はしなやかで歯ぐきを傷つけにくい設計です。
- 参考価格:500円前後(税込)
- 詳細情報:https://jp.sunstar.com/oralcare/gum/product_037.html
注意:製品の効果や使用感は個人差があります。使用前に各製品の使用方法や注意事項を確認し、適切にご使用ください。また、歯周病や口臭が気になる場合は、歯科医師にご相談されることをおすすめします。
まとめ
- 通常の口臭対策と、歯周病による口臭対策は異なる。
- 歯周病が原因の口臭は、通常の口臭対策(マウスウォッシュやタブレット)では改善しにくい。
- 歯周病ケアの歯磨き粉を使用し、適切な成分を選ぶことが重要。
- 正しい歯磨き習慣を身につけ、歯周病の進行を防ぐことが大切。
今日からできること:
👉歯周病ケアの歯磨き粉を使用し、適切な成分をチェックする
👉デンタルフロスや歯間ブラシで歯周ポケットのケアをする
👉3~6ヶ月に1回は歯科検診を受ける
参考リンク: 厚生労働省 – 口腔衛生の指針
オーラルケアを見直し、健康な口内環境を保ちましょう!